釣針の型は1魚種に対して数種類の型があり、またそれぞれの型にはサイズがあり、
非常に多種多彩です。このページではそんな釣針について色々書いてみました。


1)

 

■各所の別称■
イケ
モドリ、モドシ、カエシ、カスミ、カカリ
カガリ、アゲ、アグ、アギト、シタ
腰曲げ  腰(コシ)、大曲り(オオマガリ)
 軸(ジク)、柄(エ)、クキ
※先曲げ・・・イケ先を内側に曲げる加工をさす場合もあります。

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2)

     @チモトの形状
叩き 針とハリス(糸)を結ぶ部分(チモト)がプレス加工になっています。
撞木(しゅもく) チモトがシュモクザメの頭のような形状をしています。播州では下工(しもく)と表記する場合もありますが、これは撞木(しゅもく)が訛ったもので、意味は同じです。
片撞木 撞木を片側だけに付けた加工です。
穴あき 石鯛針など仕掛にワイヤーを使う釣針に用いられる形状です。
管付 チモトが管状に加工された形状です。リング付とも言います。
環付と表記される場合もあります。フライフックに多くみられる形状です。
切込み 漁業用の釣針にみられる形状です。文字通り切込みが入れてあります。
切りっ放し 線材をカットした時の形状そのままで、プレス等の加工を施していないものです。
「尻ナシ」と呼ぶこともあります。タコ掛針などにみられる形状です。
ギザ耳 鮎の掛針に用いられる形状で、プレスによって数本の溝を入れた加工です。

     Aひねりについて
ヒネリ 針先から胴を見た場合、右側にひねり加工が施してあります。一般的なひねり加工です。
カネリ 針先から胴を見た場合、左側にひねり加工が施してあります。
ごくまれに見られるひねり加工です。
ベタ ひねり加工なし。ひねりを入れていないフラットな状態です。

     Bイケ(モドリ、カエシ)について
イケ付
(モドリ付)
通常のイケ(モドリ)の加工です。
この加工により、掛かった魚が外れにくくなります。
半スレ 小型のイケ(モドリ)を付けた加工です。(=マイクロバーブ)
通常のものより抵抗が少ない分、掛かりが良くなります。
スレ イケ加工なし。イケ(モドリ)は付いていません。(=バーブレス)
鮎掛針やヘラブナ用の釣針に多くみられる形状です。
魚が外しやすく、イケの抵抗が無いので、もっとも掛かりの良い形状と言えます。

     Cイケ先の加工について
先打 イケ先を横からプレスした加工です。この加工を施すことにより針先の強度が増します。
先出し イケ先をフトコロから外側に出すように曲げた加工です。
(この加工を施した代表的な釣針=秋田袖、タラ針)
先曲げ イケ先を内側(軸方向)へ軽く曲げた加工です。
(この加工を施した代表的な釣針=小鯛針、チヌ針)
ネムリ イケ先を内側(軸方向)へ大きく曲げた加工です。
(この加工を施した代表的な釣針=ムツ針、ネムリセイゴ)

     D胴(軸)のプレス加工について
丸軸 プレス加工を施していない、線材本来の形状です。
平打 釣針の胴の部分を横からプレスした加工です。
この加工を施すことにより縦方向すなわち魚の引きに対しての強度が増します。
胴打 釣針の胴の部分を横から強くプレスし、平らにする加工です。
胴打加工を施した釣針は、プレスした面がキラキラと光を反射し集魚効果をもたらします。

     Eケンについて※
  ※ケン(=エサ止め)この加工により仕掛投入時のエサのズレを防ぐことができます。
一本ケン エサ止め用の切込み(=ケン)を胴の背側に付けた加工です。
二本ケン
(背側)
エサ止め用の切込み(=ケン)を胴の背側に2箇所付けた加工です。
二本ケン
(腹背)
エサ止め用の切込み(=ケン)を胴の腹側に1箇所、背側に1箇所付けた加工です。

     Fアイ(リング)の形状について

スタンダード アイが胴に対して水平の状態です。通常のアイの形状です。
ダウンアイ アイを胴の腹側へ曲げた形状です。
アップアイ アイを胴の背側へ曲げた形状です。
ビッグアイ 通常よりアイの口径を大きくしたリング加工です。
主に大型のスプリットリングの使用を前提とした釣針に用いられます。
オープンアイ アイの一部分が開いた状態に仕上げるリング加工です。


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3)


ニッケル ニッケルメッキを施した代表的な色で、基本色です。見た目は輝いたシルバー色をしていますが通常「白」と呼んでいます。「白」、「ニッケル」と表記されています。
金メッキ 金色のメッキを施したものです。この色も釣針の代表的な色のひとつで集魚効果の高い色と言われています。「金」、「ゴールド」と表記されています。
黒色の焼付け塗装です。警戒心の強い魚に有効な色とされています。「黒」、「ブラック」と表記されています。
NSブラック 上記の黒色は焼付けですが、この色はガンブラックのメッキ加工が施されています。メッキなので、ツヤがあります。また錆びにも強い色です。「NSブラック」、「NSB」、「NS黒」などと表記されています。
茶色の焼付け塗装です。淡水魚用の釣針に多く見られる色です。「茶」、「ブラウン」と表記されています。
青色の焼付け塗装です。淡水魚用の釣針に多く見られる色です。
半金のメッキの上に赤色の塗装を施したものです。赤色に集魚効果のある対象魚に有効とされています。
半金のメッキの上に緑色の塗装を施したものです。この色が採用された製品は少ないですが、代表的なものとしてはムツ針(ネムリムツ)があげられます。
半田メッキ 一般に「銀掛」と呼ばれています。錆びに強く、錫メッキよりも安価なメッキなので、多くの釣針を使用する漁業用製品の大半にこのメッキが施してあります。表面のツヤがなく黒っぽい銀色なので、遊漁用の釣針には使われることが少ないです。「銀」、「銀掛」と表記されています。
錫(スズ)メッキ やや白っぽいシルバー色をしています。高価なメッキなので用途が限定されていますが、錆びには非常に強いメッキです。「スズ」、「錫」、「tin」と表記されています。

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4)

4)釣針の製造工程について


※製造工程は概略です。各工程ごとにさらに細分化された工程がございます。


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